広島駅前の印象はとにかく「赤」。
初めまして。広島在住4年目に突入しました、普通の主婦です。5歳と1歳の息子がおります。趣味は創作です。
夫の仕事の都合で、30年あまり住み慣れた東京を離れ、広島市内に移住しました。
夫婦共々広島には住んだ事も無いし、とにかく遠いので、土地のイメージは全く湧きませんでした。強いて言えば「原爆ドーム」とか被爆者とか?オバマが来訪とか?観光地の持つ明るい感じではなく、割とまじめで厳かなイメージがありました。
初めて新幹線の広島駅に降り立った時の光景には、他県には無い、想像もしてなかった独特すぎる何かがあった。
どこもかしこも赤いユニフォームを身につけた方々。バッグには赤いチャームを付けたおばさま達がドカドカと歩いてくるではないか!ホテルの前のローソンがまっ赤で、京都にて茶色いマクドナルドを見つけた時ぐらいの衝撃を覚えた。
スタジアムは駅からこんなに近いとは思わず、繁華街よりも駅近の好立地ではないですか!駅近くのコンビニののぼりも、近所の印刷屋さんのディスプレイも、他地域では目にした事もないような「推し」に、「どこに行ってもカープだなぁ〜」と感じたのが最初の印象でした。
(三連覇まっただ中のシーズン中に来広したので余計に感じたのだと思う。)
野球といえば、おじさんたちの世間話と言ったイメージで、ヘェー、とただただ聞き流していたそんな存在でありましたが、広島のカープ熱は特筆するまでもなくほんとに凄い!(もうなんか外様の人間には所詮わからないレベルで。)先祖代々DNAに組み込まれているんじゃないかって思う程、世代を超えて愛されている。
引っ越し前に、広島出身のママ友からは、「広島では他球団の話をすると、こっぴどい扱いされるよ笑。車内のラジオで巨人が勝って思わず「オッシャー!」と言ったらタクシー降ろされた客もいるもん。」とまで言われ、「なにそれ笑。」とまるでネタのようで(ネタかも)半信半疑であったけれど、冗談ではない側面もあるかもしれない。
実際、街やスーパーを歩いていても聞こえる「応援歌」にものすごい影響を受けたのか、当時2歳の息子が突然覚えて歌いだしたので。
「かーぷ、カープ♪」新幹線の中でもどこもかしこも歌っていました。こどもは順応性が高くて羨ましい。ほんとに町中で洗脳教育が盛んなようです。
出会ったママさん達はチケット争奪戦の話や、「○○選手がねぇ〜、△△で買い物してたんよ〜。」ってアイドルを語るように言い出したりと。
“えっ、オッサンじゃないよね(笑)見た目ほんわかママだけど(笑)? チケット購入だけでご主人仕事抜け出していいんですかぁ〜〜??ちなみに○○って誰ですか??”
もはや話の展開が早くて質問する暇もない。
以来、見た目、全然野球ファンぽくない方が、ふとさりげない持ち物やキーホルダが「カープ」だったりすると、“おたくもそっちの方かぁ…”と、妙に身構えてしまう(笑)
ママ友付き合いだけでも色々ハードル高そうだぁ、と戦々恐々としながらも覚悟に決めたのでした。
5人に1人は「カープ帽」。
私の住んでいる地域は転勤族が多く、他県からの移住者も少なからずいます。
(HIROBIROさんにて紹介していただいた事も好縁でした!)なので、ママさん達は話題も豊富で、付かず離れずの距離感の人も多いなという印象。(広島おばちゃんにあるあるな、広島弁でぐいぐい来られるのは苦手なもんで…)なので、私にとっては居心地が良い。
地元の方には共感されないような、言いたくても言えない、
広島ならではの気になる光景ってのが一つや二つあるんですよね‥。
その一つに、
こどもが被っている赤い“カープ帽”。
“5人に1人”はカープ帽!!
小学生の集団下校の時の光景に、あまりのカープ帽率に、ふと、にやけてしまった。
「制服か。」
(氏名記入は必須!)
「カープ帽」は赤だけじゃないんです。ピンクも水色も、女の子でも被って可愛い、カラフルなラインナップを展開しているんです。
ピンクなんて… 遠目だと、一昔前に女子に人気だった「Barbie(バービー)」かなぁ。とふと思ってしまいました。
「Carp(カープ)」じゃ。(笑)
息子の通っている幼稚園にも、制服のように上から下までカープシャツを着て登園している子供さんもちらほら見かけるくらいなので。
“親御さん、熱心なファンなんだろうか…うちの子が仲良くしてて、カープの話を振られたらどーしよ…”
という私の想像はよそに、意外にも、「お友達がかぶっていたから〜」とか、そんな「ミーハー」な理由で身につけている子も多い事が判明しました。
ちなみに息子も帽子だけは気になっているそうです。
漫画、アニメ、ゲームといったトレンドに「カープ」という選択肢があるのも面白いよね。これって広島ならではのアイデンティティだよね。
野球って誰も殺されないし(笑)、武器でヤーとか叩き合わないし、男子諸君にとっては健全なコンテンツだと思う。
公園で野球に高じている少年もたくさん見かけますしね〜。
ちなみに息子は流行のアニメ、特撮系も、野球もスポーツも興味なく、家電と音楽を愛するマイノリティな存在を貫いていますが。
余談だけど、「カープカレンダー」を飾っている、幼稚園や保育園って多いよね。内装にマッチしているかどうかは別として…。あと、カープBOXティッシュもね。高確率で置いてあるね。
カープグッズを買ってみたい。でも勇気が要る!
そんな訳で、息子が幼稚園にも上がり、行動範囲も広がり様々な光景を目にしていると、「全身カープ少年」達の存在も、町中に張られた選手のポスター達も、もはや空気!自然の一部となりつつあります。
グッズはほんとにバリエーション豊かで、真っ赤なバランスバイクとか、ランドセルとか、こんな家電にインテリア〜!というまるで図鑑を見るようなアイテムの数々に、ただただ、関心してしまう。(あと地域限定って、コレクター心くすぐられるよね)
デザイナーさんすごいよ。
そんな他県出身の人も魅了するカープグッズですが、残念ながら、購入グッズは未だ0(ゼロ)なんです。その気になれば近所のウォンツでもフレスタでもなんでも手に入るのですが。「なぜいつも使っている安価なやつじゃなくてそれを選ぶのか!」という問いが、私の頭の中をグルグルしてしまい…。
まぁ、4年も住んでいると、イベント等で貰ったノベルティのカープグッズが少なからず集まり、リストバンドやら、ネッカチーフetc.知らず知らずのうちに、買わずとも「ヒロシマナイズ」されているんですがね。
他県の人にプレゼントしたらどう思うかな、とか、親戚、友人は特別ファンでもないし野球好きでもないし。うちの親は「えっ……。」って多分言うな。とか。迷惑かな…とか、いまだにネガティブになってしまう。
息子が欲しい!といえば買ってあげるかもしれませんが。
誰か、背中を押して〜〜!!
あ、でも、思い出したのだけれど、一つだけプレゼント、探しまわって買いました。
足掛け三年で、ようやく見つけた「限定カード」。
セブンイレブン等で見かける「nanacoカード」。
47都道府県で、限定nanacoカードというものがあるんですが、それのコレクターでもある知人から、
「広島住むんだったら、限定カープnanaco、お願い〜!!」と再三頼まれていまして、当初はこんなに気合いを入れて探さなアカン案件だとは想像もしていませんでした。どこの店にも置いてあるものだと思っていました。
探し始めて一年目→セブンの店員に聞き込むも「キャンペーン期間すぎてます〜」と。
あるいは店員も興味ないのか知らない人も。フムフム、期間があるのか、知らなかったぞ。ちなみに知り合いのママ友は誰一人知らなかった。
二年目→スタジアム限定で配布。チケット買って観戦する気なきゃ手に入らないジャン。そもそもセブンじゃないし。ハードル高すぎ。
三年目→6月某日。昨年のハードル高すぎ問題で、すっかり探す気を失せてしまったが偶然にも原爆ドームに最も近い?セブンで発見!!すかさずカードの申し込みにこぎつけました!コロナ禍で、観光客がおらず人通りもまばらだったのが幸いでしたね。ちなみに居住地区のセブンはすべて売り切れでした。ひょっとしたら店によって手持ち分があるのかもしれません。観光地は在庫が多め、とか??
もし、集めている方がいたら参考にしてほしいです。
毎年、デザインが変わるので可愛いです。
引っ越す人にはこんなプレゼントを送ります。
こちらも購入ではないけれど、お手製のカープグッズを紹介します。
メッセージ付きお手製フォトフレームを作成しました!カードをいれて寄せ書きも出来ます。
「カープ」の白いロゴの形(グニャグニャでめちゃ切りにくい笑)、「坊や」の造作について、まじまじと観察。元気いっぱいな健康的なデザインだね。可愛いかどうかはよくわかんないけど。
ご近所さんで今年関東圏に引っ越しをされてしまった人にプレゼントしました。
移住後、出会った数少ない知り合いの一人なので(私と同じ県外移住者)、転勤でも家庭の事情でも、去る人が一人でもいると寂しいものです(涙)。
広島には原爆ドームもあるし、宮島もあるし、レモンも、牡蠣もお好み焼きも旨いけれども、やはり広島といえばコレがインパクト大かなぁと。
“あぁ、あの赤いロゴやら広告やらが街をうめつくしてたなぁ、広島は。”
と回想するきっかけがあればそれでいいよね。
「広島を忘れないで。」という思いを込めて。
「何でもかんでもカープって。内々な感じが苦手で〜」と引っ越す直前に呟いていたのを、思わず「そういうとこあるよね〜」と共感しつつ。
もちろん、とても喜んでもらえました!
まとめ
来た当初、「東京と比べてこっちはどうよ〜?」と聞かれる事が多くて、
そのたびに、
「自然が多くて、山に囲まれてていいですね。」とか「コンパクトシティで(市内は特に)自転車一つでどこにでもいけるから便利!」とか、「うどんが関西風出汁でおいしい!」とか馬鹿正直に答えていて、質問者さんが(顔には出さないけれど)若干不服そうな感じだったので「え〜もっとなんかないの〜?」的な。なんでだろうと(笑)ずっと思っていたのだけれど。
あと「超ローカルな芸備線にグッときた!」とか。完全にスベッてますね。地方を冒涜してます(そんなつもりは無いけれど…)。
ほんとに私は上記の点が良くて広島を気に入っていたのだけれど、
最近は、
「カープがあるから!」
って言ってほしかったのかな〜とふつふつと感じている次第であります。
この質問に対する模範解答は「カープ」です。
私の見てきた光景は「コロナ前」を参考に、特にカープ三連覇で大変盛り上がっていた時期なので、今とは様相が違うかもしれません。
今だと、上に書いたようなカープ帽の少年達も、店舗ごとのグッズ売り場の面積も、ぐっと少なくなってしまったように思います。今は“カープ帽少年”よりも“カープエコバッグおばちゃん”の方がよく遭遇する気がします。ビニール袋有料だもんね。
まぁ観戦にも行けないし、しょうがないよね。赤いマスクの人は流石にいないけれど(笑)この広島のユニークな?光景が絶やす事無く続いていってほしいものですが。
- 適度にそこの文化を面白がれればそれで良い。
- 地域間で、世代を超えて夢中になれるものって、一体感があって、羨ましい。
- そこまで野球に熱心な人ばかりでないから大丈夫!
- カープが苦手な人は「こどもの力」を借りて、自分も好きになっちゃおう!
私も、まだこれからも続くであろう広島生活を満喫したいと思います!