KFさん
40代 埼玉県から移住 自営業

ひろしまに定住した理由

2020年、関東からひろしまへ移住。
移住のきっかけは、コロナ、子育て、夫の実家があるなど。ごくありふれた理由。
しかし、定住の理由はそうではない。

元々、関東で生まれ育った私にとって広島は、未開の地でもあり、移住して初めて知った事がたくさんあった。住んでみて知ったこと、それは、広島県が大きいという事、山陰と山陽で天候が全然違う時もあるという事、島がたくさんあるという事、みかんの花はジャスミンのような香りがするという事、どこにいても視界に必ず自然があるという事など、言い出したらきりがない。

私たち家族が住みたいと思った場所、そこは海の前だった。そして離島、まだ一度も行ったことのなかった”しまなみ海道”の一角。

東京を愛してやまない私が、4年経った今もひろしまに住み続けているのは。。。
おそらく「人」だ。「人」の距離が近い。物理的なものではなく、心の距離が近いと感じる。
これほど近所づきあいをしたのは、人生で初めて。
私に、”関わりあう”という事を教えてくれたのは、ひろしまでした。

まずは、住みたいと見つけた場所、そこに住むために、関東から近隣のアパートへ越してきた。
賃貸情報で見つけた、一番近いアパート。

引っ越し当日、向かいの畑の人がピンポーンとやって来た。
向かいの”家”ではなく、”畑”の人だ。なんだろう?と出ると、手にりっぱな大根を持っていた。
くれたのだ。初めての事だった。まだ見知らぬ人から野菜をもらった。

その人は、翌日も野菜をくれた。それから、外に出れば、会話をするようになり、
頻繁に野菜やフルーツをもらうようになった。
お向かいさんではなく、アパートの向かいにある畑を耕している人だ。

玄関先で毎日のように出会っては、世間話をした。地元の情報を教えてもらったり、育てている野菜について聞いたり。
遠い地に越してきた不安を吹き飛ばしてくれるかのように、いつも近くにいてくれた。
初対面の時は、急に野菜をくれてちょっと変わった人かも。と、近所づきあいをした事がない私の不信感をばっちりつかんだおじさんだったが、いつも近くにいてくれて、心強かった。

1年半住んでから、目的地へ引っ越す事ができた。その場所は、売地を見つけるのも、空き家を見つけるのも難しく、なかなか住むまでが大変で、まず、賃貸情報を入手する事が困難な場所だった。

「歩いて、住んでいる人に聞いて回るといいよ。」
知り合った住民に教えてもらい、人生で初めて、自分から知らない人に突然話しかけ、「このあたりに、おうちを貸してくれる人、いませんか?」と聞いて回った。
驚いた事に、話しかけた誰もが、穏やかに受け答えしてくれ、時には、近所の人にすぐ聞きにいってくれる人もいた。皆、私が誰かを聞く事もなく、親切に接してくれた。

半年ほど探し続け、知り合いづてに貸家を見つける事ができた。
正確には、空いた家を見つけたのだ。そして、持ち主に貸してほしいとお願いしに行ってみた。名前を名乗って、この場所に住みたいと伝え、家を貸してほしいと言ったのです。

すると持ち主は、「じゃあ古いから、リフォームしようか。」と。
まさかの即決、しかもリフォームをしてから貸してくれたのだ。
しかも、子供の入学に会わせてくれて、すぐに手配をしてくれた。

さて、新しい地では、子供の友達親子が何組かいて、さっそく楽しく過ごせている。
お隣さんも、また、野菜やフルーツをくれる。
ここでも、皆いろいろなものをくれる。
公園に行くと、ご老人が散歩をしたり休憩していて、話しかけられて、話すようになる。
すると大抵、皆、「引っ越してきたのか、どこから来たのか、ここはいいところだぞ。」と、同じような始まりで私を迎え入れてくれる。
たまたま家の前を歩いていた人が、庭にいた私を見て、新しい人かね?と、話しかけてくれる。

無知から近所づきあいは面倒なものだというイメージを持っていた私に、優しく寄り添ってくれる人々が現れ、いつのまにか、私は日中に家の鍵をかけずに過ごせるようになった。
今まで生きてきて、家の鍵をかけなかったことはない。家に誰かがいても、出かける時には鍵をかけるのが生活の基本だった。いままでは。。。

防犯上は、鍵はかけるべきかもしれない。しかし、かけなくとも過ごせるほど安心できるようになったのだ。近くの人が見守ってくれていると感じるようになった。
お互いが見守りあう地域なのだと実感した。
それから、子供の入学で子供会にも関わるようになり、地域のさまざまな人と知り合えた。

そして気づけば、今は、家から少し離れた場所に住んでいるご夫婦に、定期的に野菜や果物をもらっている。散歩ですれ違ったりして会話をするうちに、仲良くなったのだ。
お隣のご実家からも、野菜をもらっている。お隣ではなく、そのご実家からだ。隣人というだけで、野菜をたくさんいただけるようになったのだ。

私は、関東に帰省の際、お土産を買って帰るようになった。
私がお土産を買って帰る相手が、何人かいるようになった。ひろしまになじんだな。と感じる瞬間だ。

広島弁はいまでも分からない言葉があったりするけど、
みんなが心の距離を近くしてくれるおかげで、いつもホカホカ気分。

場所じゃなくて、たまたま出会った人がよかったのかな?と考える事もあったが、やっぱり場所だと思う。この地が、ひろしまが、この人々を育んでいるのだと思う。

人との心の距離を縮めたい人、ひろしま、おすすめですよ。

移住のステキを
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