この穏やかな海で、SUPしながらゲストハウスで暮らしたい
「この穏やかな海で、SUPしながらゲストハウスで暮らしたい」
初めて訪れた、広島県瀬戸内海のとある島のゲストハウス滞在中。
穏やかな浜辺で、趣味であるSUPをした時に、ふとそう思った。
その半年後、私は仕事を辞め、そのゲストハウスで住み込みスタッフに。
自分のゲストハウスを作りたい夢を携えてきたものの、気がつけば体調不良に。
一旦ゲストハウスを出て、同じ街の別の宿でしばらく過ごすことに。
レモンの木越しに瀬戸内の島が見える坂の上で昼寝をする。
街の銭湯でゆっくり体を温める。
夜は街のご飯屋さんでおいしいご飯を食べ、ママに現状を笑い飛ばしてもらう。
友だちに勧めてもらった本を買うも、読まずにずっと海を眺めていた。
そんな日々を過ごし、体力が回復した私は、一旦地元へ。
やりたいことに向かっていた毎日が、ポキッと折れてしまったあとの日々。
何をすればいいのか、これからどうしたらいいのか分からない。
そんな中、何気なくあの日に買った本を読む。
小川糸さん著の「ライオンのおやつ」。
瀬戸内の島が舞台のストーリー。
号泣で読み終え、ふとブックカバーをはずすと、表紙の絵が、あの日レモンの木越しに見た瀬戸内の島の景色ととてもよく似ていた。
心折れて見ていた景色なのに、とても愛おしくなり、同時に、あの日笑い飛ばしてくれたママのことや、街で出会ったあたたかい人たちのことを思い出した。
あの街で生活してみよう。
あそこでなら、生きていける気がする。
そう思い、移住を決断。
思い立ったが吉日と、無職ながら何とか住む家を探し、引っ越し。
街からは遠いが、瀬戸内海が見える立地と静かな環境がとても気に入った。
知り合いもほぼいない中での生活が始まった。
人生の夏休みとして、全国の友だちに会いに行き、旅をしながらも、この街に馴染んでいこうと、日々模索しながら過ごしていた。
あれから半年
とある休日。
近くの島を訪れ、地図で見つけた展望台で読書。ふと顔を上げると、レモンの木こそないものの、海と島の景色が、半年前に坂の上から見た景色を思い出させた。
半年ここで過ごすことが出来た。
友だちもでき、仕事も続けている。
周りにはあたたかい知り合いがたくさんいる。
よくやってる、私。
半年前の心が折れていた自分を思い出し、ふと涙が出た。
旅をしながら生活していきたいという、人生の指標もできた。
何より、まだまだここにいたいと思えている。
もうすぐ季節が一周するが、二周目はやりたいことに満ちあふれている。