地方にはビジネスチャンスがいっぱい! Web制作、コワーキングスペース管理、農業のパラレルワークを実践中。
内藤 昌史さん
東広島市出身。東京でWeb販促の仕事に就き、配属された長野で四季折々の自然豊かな暮らしを経験。広島にUターンをし、コワーキングスペース「いいオフィス広島」の支配人に。同時に農業に目覚め、休耕地を活用してレモン栽培をスタート。パラレルワークを実践中。
元々、広島県内のご出身なのですね。
生まれは東広島市なのですが、親の転勤によって幼児期から群馬、埼玉など関東方面に住んでいました。大学卒業後、東京で化粧品メーカーの営業部門でマーケティングやWebで販促の仕事をしていました。その頃、東日本大震災があったことやWebの勉強をしたくて一度広島に戻り、Web制作会社に就職。当時、Web制作のムーブメントは東京が主流だったこともあり、広島にUターンして1年後、もう一度東京に戻り、株式会社LIGに就職しました。
化粧品メーカーでWeb通販の仕事をして感じたのは、Webだと会社の大きさや知名度、地域は関係なく、全ての企業にチャンスがあること。販促次第で小さな会社でも大企業に勝てるツールだと実感していました。それならWebの仕事をするなら東京が全てではないし、東京にとらわれる必要はないと気づいたんです。
現在、LIGではどんな仕事をしていますか?
僕が入社して最初の仕事は、TRIPという体験アクティビティのオンライン販売プラットフォームの立ち上げでした。その後、コワーキングスペースいいオフィス上野の立ち上げを手伝ったり、Web制作をしたり、東京で幅広く仕事をこなしていました。
その頃、LIGは地方創生事業に取り組み始めたばかりで、長野県信濃町にサテライトオフィスを立ち上げる話が浮かび、立ち上げメンバーとして長野に転勤しました。標高約650m、野尻湖のほとりで自然豊かなオフィス。窓からの景色には標高2,000m以上の山がそびえ立ち、朝礼前に湖でウエイクボードをし、昼休みにスキー、会社の窓から魚釣りができるような環境。四季のメリハリがあり、長野で過ごした3年間はとても充実した豊かな暮らしでした。
そこで今一度気づいたのが、地方でも仕事はできること、そして地方で豊かな暮らしをしながら仕事をすることの素晴らしさでした。
長野で暮らしていくうちに、「地方に住むなら、いずれ広島に戻ろう」と意識していたので、2017年、「広島に戻ります」と会社に打診。退職して農業をしようと思っていましたが、たまたまコワーキングスペース「いいオフィス広島」の立ち上げの時期と重なったので、退職はせず支配人という立場で再びUターンしました。現在は「いいオフィス」の管理をしながら、Web制作やマーケティングの仕事をしています。
「いいオフィス」は、いろいろな業種の方が利用してくださっています。所属は違いますが、なんだか同僚みたいな感覚ですね(笑)利用者の有志で仕事終わりに食事に行ったり、広島イベントカレンダーを作って実際に遊びに行ったりもしました。他にも、イベントを開催して、異業種とのつながりや新しい仕事、出会いに発展するような仕掛けを行っています。移住相談者が来られたときは、利用者とお繋ぎし、広島での展開が具体的にイメージできるようなサポートもしています。
また2020年9月には安芸高田市向原に新しく「いいオフィス安芸高田」をオープンしました。これまでに東京?広島市?安芸高田市とオフィスをつくってきました。大都市から地方都市、地方都市から郊外へと人の流れを生み出すことを目的として展開しています。地域で必要とされているスキルを持った人が「いいオフィス安芸高田」に集まり、また、大都市から地方に関わりたいと思っている人、出身が地方の人などが「いいオフィス安芸高田」を拠点に地域と関わっていく、というような流れができると嬉しいですね。
農業もされているんですね。
長野で自然いっぱいの環境で暮らしていた影響か、広島に戻ったら農業をしたいなと考えるようになりました。
呉や江田島で、友人の祖父母が持つ遊休農地を借りて無農薬のレモン栽培を行っています。レモンを選んだのは、果樹は野菜に比べて副業しやすいこと。それに収穫が1年に一度で済むこと、北陸、東北、北海道など柑橘系が実らない地域に販路があるのではと着目したからです。仲間と一緒に農業をして収益もシェアし、将来は両親の働く場を設ける仕組みを作ることができたら、と思っています。将来はレモンを使った加工品も開発し、Webで販路を作っていきたいなと、夢が広がっています。レモンが実るまで4?5年かかるのでもうしばらくは木が大きくなるのを待っているところです。
まさにパラレルワーカーですね。
「いいオフィス」の管理、Webの仕事、そしてレモン栽培。大きく3つの柱で仕事をしていますが、コロナの影響もあって、これから職業は一つじゃない方がいいと感じます。何かあったときのリスクが分散できますし、それぞれの仕事の面白さや仲間を得ることができますからね。
パラレルワークの注意点は「とにかく忙しい」ということ(笑)。広島に戻るまでは、自然に囲まれた人間的な暮らしを求めていましたが、今はちょっとその余裕がないのが実情です。でも、もう少しがんばってみます。
Iターン、Uターンを考えている人にアドバイスをお願いします。
動くのなら早いほうがいいと思います。東京と比べたらですが、地方はどんな職種でもまだまだプレーヤーが多くない。そういう意味では地方にはたくさんビジネスチャンスがあり、戦う相手も見えやすい。自分だけの心地いいポジションを作れるはずです。
そのためには移住先での交流を深めておいたほうがいいですね。実は私、広島にUターンした後でこの『HIROBIRO』の存在を知り、みなさんのインタビューを読みました。広島に戻りたての頃、友達を作りたくてHIROBIROのインタビューを受けている方にDMを送ったんですよ(笑)。今でも仲良しなので、自ら行動してよかったです。僕もUターンした方から見て「連絡をとってみたい」と思ってもらえたらいいですね(笑)、大歓迎です。
私自身、様々な地域で暮らしたこと、東京の仕事を地方でやってきたこと、そのことによって得た経験やたくさんの仲間がいます。Uターン、Iターンの発信をしていきたいですし、運営しているコワーキングスペースは人とのつながりの場でもありたいと思います。
平日
5:00 | 起床 (朝活をする日は起きてすぐに西区草津町へ) |
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6:00 | ラッシュを避けて家を出る |
6:45 | 「いいオフィス広島」到着、準備 |
8:00 | 業務開始 |
19:00 | 退社 |
20:00 | 自宅へ戻り夕食 |
22:00 | 就寝 |
農業をする日
5:00 | 起床 |
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6:30 | 畑へ行き草刈り |
10:00 | 畑仕事終了 |
13:00 | 「いいオフィス安芸高田」、あるいは自宅で仕事 |
19:00 | 帰宅、夕食 |
22:00 | 就寝 |
休日
5:00 | 起床 |
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6:00 | 車で出発 |
車で片道4時間以内の中国・四国地方を訪ねる 旅先でサーフィン、美術館、カフェ、酒屋巡り |
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20:00 | 帰宅し、お土産に買ってきたワインで乾杯 |
22:00 | 就寝 |