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株式会社ウーオ

スマホアプリで水産業界を変える!
広島から新たな流通システムを生み出し
全国に広めるスタートアップ企業

企画 技術 / 広島市

広島市内中心部にオフィスを構える株式会社ウーオ。

スマートフォンアプリを使い、水産業に新しい流通のしくみを作り出しているスタートアップ企業です。

鳥取県の漁師町で生まれ育った代表取締役の板倉一智さんが2016年に起業しました。

UPDATE 2025/03/14

漁師さんから私たち消費者に魚が届くまでの間には、実に多くの中間業者が関わっています。

流通ルートが固定されている上に電話やFAXなどアナログなやりとりも多いことから人手不足に陥り、
衰退の道をたどる水産業界。

ウーオは水産業者の販路拡大や現場の生産性向上を目指し、
スマホで手軽に全国の漁港や市場から鮮魚の仕入れができる〈UUUO〉と、
水産卸会社の受注業務などを支援する〈atohama〉という2つのアプリを開発・運営しています。

〈UUUO〉には毎日、全都道府県の200港以上から出品があります。
出品者である漁師や漁協、仲買業者は魚の画像とともに水揚げ日や漁法、サイズ、鮮度などの詳細情報を記載。

その情報を見た全国の仲卸業者やスーパーマーケットのバイヤー、飲食店などが購入します。

「たくさん獲れた魚の販売先がない」という売り手と
「欲しい魚が地場で買えない」と悩む買い手が繋がることで互いに取引先が増え、
消費者も多種多様な鮮魚を楽しめるようになります。

また〈atohama〉は全国の魚市場20カ所で導入されており(2024年12月現在)、
これまで紙ベースで行われていた魚の入荷案内や受注作業、配送指示を効率化することで、
出社時間を夜中2時から朝5時に後ろ倒しできたという事例も。

農林水産省からも評価を得ているアプリは、全国の市場導入率100%を目指します。

広島はスタートアップに適した都市

中四国地方最大の都市であり、魚介の消費量も多い広島市で起業されたウーオ。
広島で会社を興すメリットについて、専務取締役の万力悠人さんは

「ある程度の商圏がありつつも、東京や大阪に比べてランニングコストが低いこと。
オフィスの家賃は首都圏の一等地に比べて1/3程度の価格です。

やはりスタートアップ企業はできるだけ初期費用を抑えて、
その分を事業拡大に投資したいですから」
と率直に語ってくれました。

とはいえ、ウーオの本社があるのは広島の中心市街地。

路面電車やバスなどの交通手段が多く、
打ち合わせに利用できるカフェや退勤後に立ち寄れる飲食店、
ドラッグストア、スーパーなども充実している利便性の高いエリアです。

「家賃が安いため、生活コストも抑えることができます。
首都圏ではマンションの価格が高騰していますが、広島市内なら子育て世代でも購入を検討できる価格です。

また子育てに関して、通勤ラッシュの満員電車で子どもを保育園や幼稚園に送迎する必要もなければ、待機児童問題もありません」

と話す万力さんは、休日は家族や友人とデイキャンプや釣りに出かけるなど、広島の豊かな自然も満喫しているそうです。

打席の多さが中小ベンチャーの魅力

万力さんは広島県出身で、結婚を機に東京からUターン。
クックパッド株式会社とLINE株式会社を経て、2019年にウーオに入社しました。

これまで勤務していた大手ベンチャー2社では、ブランド力のある社名が有利に働くこともありました。

「広島で転職するなら、中小のベンチャー企業で自分の力を試したいと思ったんです。
そして前職のように、誰かにとってなくてはならないサービスを作る仕事がしたかった」
と万力さん。

「広島 スタートアップ」というキーワードで検索し、見つけたのがウーオだったといいます。

「社会的に意義深く、かつ難易度の高い事業に挑戦しているところに惹かれました。
私自身、魚を食べることも好きですし。

板倉はアプリ開発にあたって、水産業界について深く知るために鳥取県内の港の仲買免許や買参権を取得し、
魚屋として買い付け・卸売を自ら行うほど情熱と行動力のある人。

私はどちらかというと冷静に物事を見るタイプなので、良い補完関係になれるのではないかと思い、入社を決めました」。

万力さんはマーケティングや広報、採用のほか、大手IT会社や農林水産省)との連携事業など、幅広い業務を担当しています。
役員でありながらプレイヤーとしても活躍する万力さんは、ウーオで働く魅力をこう答えてくれました。

「プレイヤーが意思決定する機会が多いところは、大企業にはない魅力です。
私自身も社員と一緒に業務を進める時は、自らが権限を持ち続けすぎないよう心がけています。
それぞれに得意な領域を持ったメンバーが集まっていますし、
『魚が好きで業界を変えたい!』『何でもチャレンジしてみたい!』という熱意をもって入社してくれているので、
彼らの“火”を弱めるようなことはしたくないんです」。

漁港や飲食店などアプリユーザーのもとに直接足を運び、そこで得たリアルな声を機能や操作性に反映し続けている同社。

「今まで世の中になかったサービスを作っているので、試行錯誤は当たり前。
初回で100点を狙うのではなくまずはカタチにして、失敗を重ねながら満点に近づけていこう、という寛容な社内風土はあると思います。

既存のアプリを改良していくと同時に新事業を切り拓いている当社では、自分から仕事を見つけて取り組める人が活躍していますね。
指示待ちではなく、あらゆることを自分ごととして捉え、今できることから行動する人が向いていると思います」。

広島ガイドブックで移住の不安を解消

ウーオのウェブサイトには、独自に作成した「広島県 移住&定住ガイドブック」が掲載されています。

広島の働きやすさや生活・子育てのしやすさをはじめ、スポーツや食などの独自文化、社員の休日の楽しみ方など、
あらゆる角度から広島暮らしの魅力が紹介され、内容の充実ぶりに驚かされます。

なぜこのようなガイドブックを作ったのでしょうか?


「都市部からのIT人材を求めていたのですが、数年前は今のようにフルリモート勤務制度が確立していなかったんです。
そこで都会から広島に転居する際の不安をできるだけ解消し、移住を前向きに考えてもらえるようにとの思いで制作しました。
ウーオの社員は現在25名で、そのうち広島本社に勤務している10名のうち8名がUIJターン移住者なんですよ」。

2023年に入社した森脇有香さんもその一人です。

広島市出身の彼女は東京の大学に進学し、神奈川県横須賀市に本社を置く海洋調査船の会社で15年勤務。
自身も調査船に乗り、研究員のサポートや調査機器のメンテナンスなどを行っていたという異色の経歴の持ち主です。

「最後の5年間は本社内勤となり、船員300人の人事や労務、採用、経理を担当していました。
いつかは広島に戻りたいと考えており、40歳を目前にして『転職するなら今だ!』と思ったんです。

実家から通える立地、年収、休暇制度、バックオフィスのスキルが活かせる職場など、条件に当てはまる地元企業を探す中で出会ったのがウーオでした。
大学で水産業を学んでいたこともあり、今ある流通網を使いながら実現可能なDX化を進めているところに興味を持ちました」。

新卒から15年間キャリアを積んだ会社を離れ、異業種に身を置くことに不安はなかったのでしょうか?

そんな問いに、森脇さんは晴れやかな声色でこう答えてくれました。

「小さな町工場の経理のおばちゃんになりたいとずっと思っていたんです。
条件に合う転職候補の中には、地元の大手企業もありました。

安定という面では魅力的でしたが、もっと想像のつかない、新しいことがやってみたかったんです。
身軽な独身なのだから何でもチャレンジしてみて、合わなければまた就職活動すればいいという気持ちでした」。

業務効率化を進めやすい職場環境

ウーオでは経理や労務を担当している森脇さん。

「この会社の魅力は、少数精鋭の会社なので社内の動きが把握しやすいところ。
リモート勤務をしている県外の仲間ともさまざまなオンラインツールを使ってコミュニケーションが取れる環境は、労務を預かる立場として助かっています。
そして、はんこ文化がないので決済が早い! チャットツールで認証を済ませることができるので、仕事がすごくスムーズですね」。

入社1年目から、新しい請求書ツールのマニュアル作成や取引先ごとのイレギュラー事項のリスト作成など、バックオフィス業務のシステム化を積極的に進めてきた彼女。

「業務を属人化させず、助け合えるようにしていきたいんです。
自分の意見を言いやすく、分からないことを質問しやすい雰囲気があるからこそ、誰に引き継いでも業務が回る仕組みを考えることができます。
今後は会社の成長に合わせた労務・経理の仕組みづくりや、社内規定の整備などに取り組みたいですね」。

休日は、車がなくても楽しめる街なかで過ごすことが多いそう。

「デパートや美術館が複数あり、本屋さんも充実している広島市はちょうどいいサイズの都市。
市内を流れる太田川の河川敷でBBQをしたり、呉市でビーチテニスをやったりと、アウトドア派の社員も多いですよ。

それから広島は広島東洋カープやサンフレッチェ広島を筆頭に、野球にサッカー、バスケ、バレーなどさまざまなスポーツチームがあります。
市街地に野球とサッカーのスタジアムがあるので、会社帰りにスポーツ観戦をするのもおすすめです」。

「長時間」よりも「長期間」働ける会社づくり

会社の今後について、

「長年のルールや慣習が根付いている水産業界を1~2年で変えられるとは思っていません。だからこそ、持久力のある会社でなければならない。
コアタイムのないフルフレックス制を導入し、現地勤務の社員も週1回はリモート勤務を推奨するなど、
『長時間』よりも『長期間』働きやすい会社づくりに取り組んでいます」
と万力さん。


広島から水産流通業界に変革を起こし、DX化によって生産者の収益アップやフードロスといった社会課題を解決するウーオ。

「社会を変える」と聞くと途方もなく壮大なことのように感じてしまいがちですが、
小さな行動を積み上げていくことで着実に良い変化が広がり、「新しいスタンダード」が生まれることを体現している企業です。

会社情報

設立 2016年7月1日
所在地 広島県広島市中区大手町2-1-6
URL https://uuuo.co.jp/
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